劇場版SHIROBAKOを観てきた

自分はアニメのSHIROBAKOは視聴していませんので、ほぼフラット状態で観ましたが面白かったです。えーと、「ほぼ」というのは事前にTwitterのフォロワーの方から「面白い」という評だけ得ていたのと、その後Wikipediaを見てしまったというのがありますが。

 

アニメーターがアニメ業界のことを描けば、つまらないはずがない。これ結論である。

 

(以下、ネタバレである)

あらすじ

フラットな状態で観ても十分面白いとは思いますが、なにせアニメを作り上げる(アニメ制作会社が舞台)という物語上、登場人物も多いわけでして、少し情報を入れてたほうが、より楽しめるだろうなと思います。

劇場版では、TVシリーズから4年後の物語となっており、冒頭部分で説明されます。そしてタイムヒポポタマスというアニメ制作が没になり、スタッフは散り散りになったところが、主人公の宮森あおいが「第三飛行少女隊」を武蔵野アニメーションスタッフと鑑賞するシーンで、一瞬たくさんのスタッフがいる中で鑑賞するという回想シーンがあります。一瞬の回想から戻ると、数人のスタッフで鑑賞するという現実に戻る、ここに武蔵野アニメーションの栄枯盛衰がよぎる。

武蔵野アニメーションの経営自体は存続しているけど、どうも昔のような羽振りがないのは「タイムヒポポタマス(通称タイマス)」の製作が没になったのが原因であるらしい。この出来事ことタイマス事変は、TVシリーズ内では描かれなかったシーンなのでしょうか、ウィキペーディアでは用語として、一切書かれていないな。さて、武蔵野アニメーションのスタッフが散り散りになったものの、一方でかなり厳しいスケジュール感での劇場アニメ「空中強襲揚陸艦SIVA」の制作を受ける宮森あおい。はたしてどうなる?

 

途中、ミュージカルを模したシーンが挟まれる。このシーンは、宮森あおいがある種の仕事への現状の葛藤から、前向きに劇場アニメ制作「空中強襲揚陸艦SIVA」に前向きに取り組むという決意のシーンである。通常、ミュージカルシーンは僕は興ざめである。でも良かったね。良かったから良かったというぞ。ここは観ていただきたいということ以上にない。だってアニメーションに関わるアニメを舞台に、メタ的にアニメキャラが出てきたら、もう文章としては伝えづらいじゃない。見てくれ。

 

そして、宮森あおいが劇場アニメの製作スタッフ集めに奔走して、馴染のスタッフと協力を得て、ここが一番の見どころなのかな。ここいらでTVシリーズを見ている人たちは、好きなキャラクターも一通り登場するでしょうから。

あと前提知識があったほうが面白いだろうな思える部分に、宮森あおいが小笠原綸子の元に訪ねる場面。小笠原綸子はかっちりゴスロリ衣装で過ごすというキャラクターでありまして、上下ジャージ姿でランニング中に出くわしお互い気まずくなるシーンの面白さなんて前提知識がいるだろう。僕は先の通りウィキペーディアの文章だけ見ているので、実際のキャラクタ造形とまったく一致しないんです。なので、後から冷静になってなるほどと。1年くらいたって忘れたころに見たら、面白く見れると思うんだけどな。

 

そして、期日までに「空中強襲揚陸艦SIVA」が仕上がります。3週間前でほぼパッケージ化し、協議の結果後半部分だけ納得いかないので差し替えとなるんだけど、そこがちょっと蛇足かなあ。いや、我々観客も「空中強襲揚陸艦SIVA」のラスト部分を見るわけであって、必要な部分とも思えるけど。3週間じゃ無理じゃね?いくらなんでも…というのが引っ掛かりまくってしまって。

 

不満点

ほぼないよ。面白かったよ。

 

ちなみに「げ~ぺ~う~」なる別のアニメ制作会社のお偉いさんの足元をちらちら何度か見せるシーンがある。あれなんなの。スポックシューズっていう一応革靴なんだろうが、サンダル履きのような気軽に履ける奴だと思うんだけど。